語尾の特徴
言葉や単語の最後の部分、いわゆる「語尾」は地方によって様々な特徴を持っています。例えば標準語、「〜です」は、大阪界隈では「〜ねん」、東北では「〜だべ」と使われます。これだけでも日本各地で数十通りの方言があると言われ、語尾の特徴は、どの地域の出身者かを見分けるのにも役立ちます。
播州弁の語尾
〜け(〜こ)
〜ですか? 例: 買い物ですか?→買いもんけ?
備考: 特殊な使い方。本当ですか?→ほんまけー いらっしゃいますか?→おってかー?
〜さす
〜させる 例: 勉強をさせる→勉強をさす
備考:「〜させた」と過去形になる場合は、「〜せした」になる。 例: 仕事を終わらせた→仕事を終わらした
〜したる(〜しちゃる)
〜してあげる 例:私がしてあげるよ→うちがしたるわー
備考:「〜してあげた」と過去形になる場合は、「〜したった」になる。 例: 掃除をしてあげた→掃除したった
〜してもた
〜してしまった。 例: 取り返しのつかないことをしてしまった→取り返しのつかんことしてもた
〜しょる
〜をしている。 例: 何をしているんですか?→何しょるんけ?
〜せー
〜しなさい。 例: 明日にしなさい→明日にせー
備考: 言葉によっては、動詞をそのままのばす場合もある。 例: 早く食べなさい→はよたべー
〜(っ)たる〜ったる
〜あげる。 例:ご飯を奢ってあげる→めし奢ったる
〜っせ
〜ですよ。〜ますよ。 例: お安くしますよ→やすーしまっせ
〜でっか
〜ですか。 例:そうですか→そうでっか
〜てまう
〜てしまう。 例: 恐縮してしまう→恐縮してまう
備考: 過去形は「〜ってもた」 例: 寝坊してしまった→寝坊してもた
〜とる
〜(して)いる。 例: 外を見ている→外、見とる
疑問系は「〜とるん」 例:誰か来ている?→誰かきとるん?
〜どいやー
〜ですか? 例: 誰ですか?→誰どいやー?
備考: 「〜どいやー」は怒りや、不満の感情がある時に使用されることが多い。
〜なー
〜ですね。 例: 暑いですね→暑いなー
備考: 語尾は若干のばすが、のばさなくてもよい。人に問いかける時に使う「あのですね。」は「あんなー」となる。
〜ひん
〜ない。 例: うまくできない→うまくできひん
〜へん
〜ない。 例: わからない→わからへん
備考: 「〜ひん」と同じ意味で使われるが、「〜へん」のほうがより多様に使われる。
〜さかい
〜だから。 例: これに触れたら駄目だからね→これに触れたらあかんさかいな。
〜やな(〜やの)
〜(です)ね。〜(ます)ね。 例:これは傘ですね→これは傘やな
〜やん
〜でしょ。〜でしょう。(疑問形) 例:今日は雨でしょ?→今日は雨やん?
備考: 疑問形、相手にゆだねる表現。関東弁の「じゃん」と同義。 例: 駄目じゃん→あかんやん
〜よる
〜ている。 例: 元気で暮らしている→元気で暮らしよる
〜らへん
〜(ら)ない。 例: わからない→わからへん
〜るでー(やでー)
〜ですよ。〜ますよ。 例:今日は頑張りますよ→今日はがんばるでー
〜れる
〜られる。 例: 食べられる→食べれる
備考: いわゆる「ら」抜き言葉。播州では常用後。
〜わー
〜よ。 例: 今日は寒いよ→今日はさむいわー
〜んかい
〜なさい。 例: 早く食べなさい→はよ食べんかい
親しい仲か、目下の相手に使う言葉。
〜んな
〜るな。 例: 邪魔するな→邪魔すんな
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